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が分かる。そのため、粒径分布については、安全上の観点から、3.3節で述べた通りのクライテリアを設けた。

 

3.4.7. 他の試験方法の問題点の概要
 液状化物質判別試験の開発に際して、他の試験方法も考案し実施してみた結果判明した問題点を、参考のため以下に記す。
(1)飽和状態の試料を加振し、ビット貫入量により液状化の可否を判定する方法
 多くの粒状物質は、飽和状態では容易に液状化を起こす。液状化を起こすと容器の底部では試料の間隙が非常に小さくなり、実験的には、試料は再び剪断抵抗を有する状態になる。この現象は再圧密として知られている。
 この試験法では、液状化を検出するためのビット貫入量が、再圧密の遅速、即ち液状化発生の早さの影響を強く受け、早く液状化が発生した場合には再圧密によりビット貫入量が小さくなる現象が観察された。よって、液状化物質の判別法としては適当でないと判断した。
(2)試料を飽和状態にした後排水し、その試料を加振し、ビット貫入量により液状化の可否を判定する方法
 試料が細かな粒子を含まない場合、排水後の試料の上部は水分が少なくなり、静的剪断強度の不足により、ビットが容易に貫入した。また、試料が細かな粒子を含まない場合、締め固めの再の圧力を増しても、充分な静的剪断強度を得ることが困難であった。そのため、液状化物質の判別法としては適当でないと判断した。

 

3.4.8. まとめ
 本研究により、固体ばら積み貨物が液状化物質か否かを判定するための方法を開発した。

 

 

 

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